(1)遺言の必要性

遺言がない状態で相続が発生すると、相続財産は共有とされ、原則として相続財産は相続人に法定相続割合で相続されることになります。

遺産分割協議により相続人の間で誰が、何を、どれだけ相続するかを決定することもできますが、各々の思惑が異なる場合には、なかなか遺産分割協議がまとまらず、骨肉の争いに発展してしまうケースも見受けられます。

遺言書作成の過程で、家族及び会社の将来像をはっきりと描き、その中で自社株の行方も決定しておく必要があります。

後継者が会社の経営をよりしやすい環境をつくるためには、会社の支配権(株式)の行方が重要になります。

また、遺言書の中で、会社運営の指針や会社に対する思いを記載し、後継者に、心からの言葉を伝える機会にもなります。

オーナーの遺志を明確に伝える手法としては、遺言書の作成が欠かせないものとなります。

遺言書を作成した後、意向が変化してしまった場合でも、遺言書は何度でも作り直す事が可能です。

過去に作成された遺言書と相違する分については、最終に作成された遺言書が有効になります。

部分的に変更事項のみを記載することも可能ですが、全てを書き直し、前回作成した遺言を全て無効にした方が良いでしょう。

(2)遺言書作成の手順

遺言書は、次のような手順を踏むことで、現状の財産構成の問題点も浮き彫りにし、遺言書作成の前に資産のポートフォリオの組み直しも行うことになります。

推定相続人も含めた保有財産の整理


推定相続人も含めた保有財産の評価

遺産分割のパターン分け

相続税の試算・納税資金の確認

遺言書の作成

(3)遺言書の種類

遺言は決められた一定の方式に従った書面のものでなければ法的に認められません。

遺言書の方式は、通常の状態であれば次の3種類に分類できます。

その中でも、コストはかかりますが、公正証書遺言が、遺言書作成の最も確実な方法です。

自筆証書遺言

公正証書遺言

秘密証書遺言

内容

遺言者が自筆で作成する。 公証人が遺言者から遺言の趣旨の口述を受け、遺言書を作成し、その遺言書の原本を公証人が保管する。 遺言者が遺言書に署名、捺印した後封筒に入れ、その印と同じ印で封印を押す。それを公証人等の前に提出し、封書に遺言者本人、証人及び公証人が署名捺印する。

証人、立会人

不要 証人二人以上 証人二人以上

家庭裁判所の検認

必要 不要 必要

保管

個人 原本は公証役場 個人

メリット

簡単に作成でき費用がかからない。 紛失、変造のおそれがなく、保管は確実 封書されるため内容は秘密にできる。名前以外は自筆でなくても大丈夫。

デメリット

偽造、変造がされやすい。内容に法的不備が生じる可能性あり。
紛失のおそれあり。
秘密にできない。 内容に法的不備が生じる可能性あり。紛失のおそれあり。
小谷野公認会計士事務所では、何件ものクライアント様のお話を伺い、クライアント様のご家族の未来像をつくるお手伝いをしてきました。

遺言書作成段階では、納税資金および手続のスケジューリングまでをも見据えた全体像を明確にし、必要な場合には資産のポートフォリオの組み替えもご提案いたします。