中小会社オーナーの方々は、個人資産のほとんどを会社に投入している場合が多く、自社株以外の個人資産はそれほど多くない場合も多々あります。

自社株は、評価額が高いにもかかわらず上場株式と違い公正な処分価値はないため、換金性、担保価値、ともに乏しく相続が発生すると納税資金を調達できない場合がでてきます。

会社の資産が豊富にあったとしても会社資産は個人資産とは別物であるため、会社の資産を個人に払い戻す方法も検討しなければなりません。

資産を動かすとなると、会社資産の売却益に課税される法人税や、個人に課される所得税の負担も考慮する必要が生じます。

(1)  自社株の現金化

金庫株の活用や、減資払戻、グループ企業への譲渡などの方法があります。

特に金庫株が解禁になり、自社株の現金化の道は大きく開けたといえるでしょう。

(2)  延納・物納

相続税は、申告期限内(相続人が死亡した日の翌日から10ヶ月以内)に国に納付しなければなりません。

しかし、相続税は、財産に課税するために、納付が困難となる場合もあることから、納付期限を延ばす延納や、申請書を出して特定のものをお金の代わりに納めることができる物納といった制度も設けられています。

特に物納は、適格要件が定められており、土地等で物納する事を予定しているオーナーは、生前に土地の権利関係を整理しておくことも必要です。

(3)  その他の資産の活用

死亡退職金や生命保険金は、納税資金として有効です。

また死亡退職金や生命保険金は相続税の課税対象になりますが、生命保険金や死亡退職金は一定額までは非課税とされます。

さらに、被相続人の死亡により相続人が受け取る弔慰金については、明らかに退職金に該当すると認められるものを除き、香典に準ずるものとして非課税とされ相続財産から控除されます。

物的対策、特に節税対策は、節税を唯一の目的にしてしまうと、事業承継全体がゆがんでしまうことがあります。相続税の節税対策として不動産投資をしたが、あっという間に時価が下がり、借入金だけ残ってしまったという事例もあります。

投資物件の賃貸収入だけでは、借入金を返済できないというのでは本末転倒です。

小谷野公認会計士事務所では、事業承継という本道を外れないよう、どのような物的対策が有効なのかを検討しご提案いたします。